カテゴリー別アーカイブ: ASEAN

フィリピンの製造業が難しい理由

フィリピンには、あまり大きな製造拠点がないのはなぜか調べたり聞いたりしてみた。

まず多くの人が言うのは、識字率が低い。日本より低いが若い人口が多いから字が読めるない人を採用しなくても、十分にワーカーは集まる。治安が悪い。治安が悪のはマニラを中心とした都市部であり、工場を地方に作れば治安が問題になることはない。時間にルーズだという点。聞いてみるとプライベートでは時間はいい加減なのは認めるが、会社や学校の開始時間はきちんと守る。早めに行くように心がけるという。だからいつもルーズなわけじゃないというわけだ。もちろん、それでも日本みたいに、基本的に開始時間に100%ということはなく、5分程度の遅刻は仕方ない範囲のようです。

実際には、そういう問題ではなく、まず、インフラが良くないと言います。電気が不安定。停電が多い。事故での停電ではなく、事故防止のための停電だそうだ。同時に水道も不安定。計画断水がある。インターネットが遅い。光ファイバーは都市部だけのようだ。2つ目は、物流だ。国内のトラックの保有台数が圧倒的に少なく、物流に支障があるそうだ。従業員の定着も悪い。同じ会社に長くいる習慣はないので、時間をかけて育てる必要のある部門はフィリピンには持ちにくい。また、英語が堪能なので、優秀な技術者は国内の定着せず、給与の良い外国に行ってしますようです。

ティラワ経済特区のセミナーに参加

ティラワ経済特区のセミナーは昨年春に聞いてから1年経つので現状を知りたいと思いセミナーに参加した。

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昨年聞いた時は第一期工事の整地が雨季の前の4月(2014年)に終わるとのことで、実際に2月末に行ってみたら確かに整地の最後の仕上げの感じだった。10月には完成し、現在44社(22社は日本)が契約済みで、11社は建物の建設中だそうだ。そして第二期工事に着手しているようです。

この経済特区の開発を行っているのは、Myanmar Japan Thilawa Development Ltd. というミャンマー政府と日本政府は10%ずつ、40%はミャンマーの会社などと日本の会社と銀行が出資して作られた会社ですが、その社長でCEOの梁井崇史氏の話が一番興味深かった。

この方は日本の首相やミャンマーの大統領はもちろんミャンマーの期待を一心に受けている方だが至って気さくで面白い。特にミャンマーの期待が大きいという説明やミャンマーの歴史には熱の入った説明だった。

他の方の話を含めてだが、ティラワ経済特区(以降、SEZ)は、簡単にいえば工業団地だが、東南アジアの工業団地は工場のみの開発ではなくて、従業員の住宅を含めた生活空間、新都市開発である。さらにSEZに入る企業はミャンマー国内にくらべ様々な規制緩和のメリットを享受できるということまでは、ベトナムやインドネシアなどの経済特区と同じです。

ミャンマー国内の規制緩和はほとんど進んでいないが、ティラワのSEZは、ミャンマーにとっては思い切った大幅な規制緩和を行っている。それはここが規制緩和の実験場になっているということだ。将来的にここでの実績を見て、ミャンマー国内のSEZ外の地域の規制緩和を今後進めていく見込みのようだ。

それらの規制緩和の提案は日本の企業(税務関連)が入居希望の日本企業の要望を聞きながら行っている。また政府側にはJICAから派遣されたアドバイザがいて政府側の立場でサポートしている。SEZやミャンマー国内の規制緩和に関する折衝は、実は日本人同士が行っていたりするそうなのだ。

単に工業団地を作ってくださいということではなく、この工業団地を建設し運営するために関連する様々な課題を解決していくことを通じて、ミャンマー全体に拡大していきたいという壮大な取り組みをミャンマー政府から期待されているんだということがわかった。

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大阪の中小企業を対象としたアセアン地域への企業進出のセミナーに参加

2015年6月3日、大阪で開かれたセミナーに参加した。

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「第4回 アセアン地域における企業戦略構築セミナー」というのに参加した。もう4回目だが私は初めて参加した。今回のテーマは、「ASEAN経済統合で急成長するメコン経済圏をベトナムから狙う! アセアン経済共同体で変わるアセアン事業環境とわが社の事業戦略」という長ーい名称だ。

最初に、「日本アセアンセンター」の中西氏からアセアン経済統合についてポイントがわかりやすい講演があった。

二番目は、大阪の中小企業の進出支援を行っている「みなとコンサルティング」からベトナムを中心とした公園があった。

最後には、東大阪の三栄金属製作所(従業員60名の中小企業)が実際にベトナムに進出した経験談の講演があった。

まず主催者のあいさつで、日本の元気のなさを東南アジアの力を借りて元気になろうという主旨の話があった。続いて中西氏から、以下の話があった。

1.EUは国の上に組織があって、EUの決定には各国は従うのが原則な組織だが、ASEANは各国が上で、ASEANは事務局に過ぎない。

2.EUでは各国のGDPの差は数倍程度だが、アセアンでは60倍も違う。

3.関税撤廃というのは、アセアン国内で作った製品についてであり、アセアン国外からの輸入については従来通り関税はかかる。

4.東南アジアの国々は日本が歩んできたように発展する側面もあるが、日本の30年前になかったものがあっての発展であるから違う順番で発展することを留意して分析する必要がある。

5.安い人件費を期待して製造の場として進出、高い購買力を期待しての販売の場としての進出もできる。

6.貧困国だがパイは少ないが富裕層もかなりいるので、富裕層を狙うのもよし、6億の人を狙うのもよしどちらでも可能性がある。

みなとコンサルティングの畑野氏からはベトナムの事情についての話であったが、最後にアセアンではないが、バングラデェシュの縫製業がいいとの説明があった。

縫製工場はミャンマー200工場、カンボジアの438工場に対し、バングラデシュでは5,600工場があるんだそうだ。ただし80%が欧米で、日本はユニクロが一社出ている程度という。

膨大な人口と劣悪な作業環境の向上ばかりということもあり、いろいろ難しいけれども、縫製関連の会社はぜひ検討してくださいとのことだった。

最後の三栄金属の山下社長は、冒頭に、人手不足から不安ながらもベトナム人を2人雇ってみたという。この2人はとても優秀で、過去に日本人を雇ったが、彼らは「言われたことしかしない」というのだ。それに比べてベトナム人は、いわなくても工夫しどんどん進めてくれるので、心配はすぐに払拭されたという。その後、他社からの要望で、ベトナム人技術者を2人受け入れたら、2人ともすこぶる優秀で、数か月で金型機のプログラムをマスターしたという。そんなことから5年後にはベトナムに進出することにしたという。
資金繰りで困っていたが、JBICと南都銀行の融資を受けることができたという。

このセミナーは3つともわかりやすいいいセミナーだった。

ベトナム・ラオス投資セミナーに参加してみた

ベトナムの話とラオスの話があったが、ここではベトナム投資の話について書くことにします。

講演はJICAからホーチミンに派遣で滞在されている菊池正氏である。

最初のJICA関西の大西所長の言葉も含めて、国の機関だからと遠慮せず、気軽に活用してくださいとの言葉と同様に、ベトナム投資については現地でも気軽に相談してくださいとのことだ。

ベトナムの面積は日本よりすこし小さく人口もすこし少ない程度だが、現在のGDPは30分の1程度と小さい国であることだ。

投資先、進出先の工業団地は北部ハノイに3カ所、南部のホーチミン近くに2カ所あるという。
北部では、ハノイの東のハイフォン、南のハナム、北のバグザンで、大企業とその大企業と取引のある中小企業が入っている。南部では、東南のバリアブンタウ、西南のロンアンがあるが、大企業と関連なく単独で投資するならバリアブンタウが特にお勧めだという。ここの港は日本のODAで作られたこともあり、ここの行政府が日本人を雇ってジャパンデスクという日本人向けの窓口を作っているというのだ。

ベトナムの労働人口は若くて勤勉だが、ビジネスマナーや仕事の進め方を含めて長い目で育てることが必要であり、人件費が安いからといって彼らを使い捨てするような考え方では短期で失敗するでそうとのことだ。つまり労働者としてもレベルが低いのである。そのことを前提に長い時間をかけて社員を育てながら活動する取り組みが必要であるとのことだ。

日本はベトナムを見て、日本の発展過程の段階で差を判断して非常に遅れていると判断する。しかし今のベトナムには発展段階でPCやインターネットがあり情報の数が違う、日本とは違う発展過程を歩むわけだから日本の発展過程で判断するのは危険だ。遅れている遅れていると思っていたら、或る日突然すぐ後ろに迫っていて、あっという間に抜かれてしまうことが見えている。

現地の問い合わせ先の一覧資料をもらった。ホームページに公開されている情報ですが、まとめて書いてあり便利と思うので添付します。

現地連絡先一覧表(2015年5月現在)

ベトナムのIT事情(ソフトウエアパーク)

日本アセアンセンターの視察ミッションにてベトナムのITをテーマに、ベトナムの最大都市である南部のホーチミン、首都のある北部のハノイ、そしてベトナムの中央部にあるダナンを訪問した。

まずベトナムだが、政府はIT産業に特別力を入れている。そのために大学の強化、ハイテクパークやソフトウエアパークなど、インフラを整備し、優遇税制策を適用して、外国からの投資を求めている。

下の写真はダナンにあるソフトウエアパークという建物だ。工場誘致の場合広大な土地に点在する工場を見るわけだが、ソフトウエアは大きな機械がいるわけではないので、ビル一つ相当数の会社が入居できる。ベトナムでは停電とかネット環境が必ずしも良くないが、このビルには発電機も装備されており停電はない。国際ネット回線(光幹線)はこのダナンに引き込まれているというから快適らしい。

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日系企業も何社か入っている。以下はWEB関連の会社だという。業務はSEOに関する業務だという。詳しくは説明できないとのことだが毎月6、000サイト作っているという。いったい何に使うかと推察すると、SEOの一つの要素である被リンクを増やすためにリンクを張るためのサイトを作っているのだ。毎日毎日新規のホームページを作るという単純作業は日本では採算が合わないが、ここベトナムではできるというのだろう。日本ではコストが合わないから諦めていることを、この会社はベトナムでやっていたのだ。職場環境もとても日本人には耐え難く狭い。比較的小さな部屋に30人はひしめいている。

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この会社もソフトウエアパークに入っているソフトウエア会社だ。母体の会社は昔の国営企業で、日本向け案件を専門的に担当する会社として独立したそうだ。

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実はここだけではないが日本向けの業務システムの案件を扱っている会社が多い。この日本向け案件としてどういうのをどう思うだろうか? 一般に想起できるのは、まず日本に営業所を持っていて、日本企業を回って開発委託を受け、開発案件の仕様の打ち合わせを行って、開発し納品、そしてメンテナンスするというものだがそうではない。

まずは客先と打ち合わせして仕様をまとめるといった経験が必要な技術者はいない。また居ても日本語が話せない。だから客先は日本のシステム開発会社だ、日本のシステム開発会社の下請けとして業務を引き受けているのだ。客先との打ち合わせは日本のシステム会社が行い、確定した仕様のものをベトナムの会社に委託するのだ。仕様の曖昧なところもあるから頻繁に仕様と途中経過の確認が欠かせない。

だからいまのベトナム人は、日本語を勉強し、日本のシステム会社の担当者の意図が理解できるようになることが一番の課題なのである。

いまのベトナムのソフトウエアレベルは日本の新入社員から入社5年までの経験程度の知識とレベルなのである。

ただ、以上は現状であり、急速に日本を追い上げていくことは間違いない。その点は後日述べる予定である。

ホーチミン工科大学を訪問

日本アセアンセンターの視察ミッションにて、ホーチミン工科大学を訪問した。

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入り口の様子

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中に入るとこんな感じ

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訪問先の建物。
正月でもないのに「HAPPY NEW YEAR 2015」と書いてある。ベトナムのお正月は2月末で、訪問日はお正月明けの初出の日だったようです。

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ベトナム政府は、国内で優秀な技術者を育てる目的で、ここホーチミン、ハノイとダナンにそれぞれ工科大学を作ったようです。日本で言えば、東大、京大、名古屋大に相当する大学のようです。

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ホーチミン工科大学には11学科合わせて27,000人の生徒がいるとのこと。10学科は分野ごとの普通の学科ですが、1つ変わった学科が紹介されました。それは、起業家向けの技術マネージの専門学科です。

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再び外へ。訪問先の建物の前から。

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「どうなる2015 ASEAN共同体」というセミナーに参加

ASEANの事務局次長であるAKP モクタン氏と亜細亜大学教授の石川幸一氏の講演があった。

ASEAN関連のセミナーにはこれまでにも何度か出席していて、このブログにも書いたので、今日聞いて改めて確認できたことと、新しい視点を聞いてなるほどと聞いた内容を書く。

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ASEANを1つの国と見れば現時点で世界7位だそうで、来年には6位になるそうだ。その順番は、1位はアメリカ、2位中国、3位日本、4位ドイツ、5位フランス、そして現在6位がイギリスだ。以下7位ブラジル、8位ロシア、9位イタリア、10位インドだ。ASEANの国は単独ではかなり下だがASEANとしてまとまると中国には及ばないがインドより上位だ。

中国、インド、ASEANの中でもASEANは若年層が多くまだ20年は経済発展できるというのだ。中国は高齢化が進んでおり経済成長は下がっていくと見られており、20年後はASEANが世界1位か2位になる可能性が見える。

ASEANの中でシンガポールとカンボジアの経済格差は65倍あるそうだ。どうして経済格差のある国をASEANに入れたのかはよくわからなかった。主導しているは経済的には先進国並みのシンガポールであるがやはり国の小ささから大きく取り込まないと大きく成れないと思ったのでしょう。経済格差のある国を取り入れることは、経済格差は必需品など求めるものが違うから市場の幅と深さが違うのだという。つまりそれはメリットだというのだ。

東ティモールは最後の加入見込み国だが、加入時期も遠くないようだ。

日本がASEAN共同体による域内関税撤廃のメリットが活かせるかどうかだが、現地に生産工場を持っている会社は現地企業の扱いになるようだ。その条件は2つ、原産地規則に合致していること、実質的に事業を行っている会社とのことだ。

EUとどう違うのだろうかという疑問の答えが聞けた。大きな違いは以下だ。

  • 原点: EUはドイツとフランスの戦争の防止、ASEANは経済成長戦略
  • 域外関税: EUは共通、ASEANは国ごと独自協定
  • 共通通貨: EUは共通のユーロ、ASEANは国ごと独自通貨

2015年になにかが大きく変わるとうことではなく、関税撤廃もすぐに100%実現するわけではなく、目標に達するのは2018年でありそれでも99.5%であって、100%ではない。関税撤廃の大枠がきまって順次100%に向けた道筋が予定通り2015年に出来たということだ。

次の目標は2025年だそうで、100年後のASEANの姿を見て方向を定めているのだそうだ。

 

シンガポールのすぐ南にインドネシアのフリーゾーンがあった

シンガポールの南は島があってインドネシアのスマトラ島があることは知っていて、その狭い海峡を日本のタンカーが中東の石油を運んでいることは誰でも知っている。またシンガポールは1つの島だけだからすぐ南のスマトラ島との間にある島もインドネシアであることは知っていた。でもそこにフリーゾーンがある。2007年に自由貿易区に指定されたそうだ。すでに日系企業の67社が進出しているという。

シンガポールのインフラや管理者とインドネシアの安い人件費を組み合わせた事業者が作れるのがメリットのようだ。インドネシアの国内の会社となるためインドネシア国内への販売には特に有利という。

元ネタ
新政権下でも注目される投資・貿易・観光拠点インドネシア・バタム フリーゾーン

地図は以下
http://yahoo.jp/QtCunB

国境付近は面白い

タイと接する国との国境の町を訪れてそのあたりの様子が紹介してある。国境付近に住む人は国境は関係なく交流・交易をしている。そもそも彼らにしてみれば自分たちの仲間(同じ民族)の活動範囲の真中に突然国境が引かれ、こっちの人はこっちの国、こっちの人はこっちの国と分けられたのである。だから彼らは日々国境をまたいで生活しているようだ。
タイとミャンマーの国境のことが主に取り上げられている。

ハラル認定を行っているウラマー評議会を訪問

ジャカルタから南に1時間程度、避暑地で有名なボゴールにウラマー評議会の事務所がある。このウラマー評議会では、ハラル食品の認定を行っている。

ハラルとは、イスラム教のコーランで禁止されている食品を口にしないために、材料や製造法を含めて問題が無い食品であることを認定する期間である。この認定を受けた食品は、イスラム教徒が安心して食べられる食品である。イスラム教徒は世界の3分の1、キリスト教徒を抜いて1位になることから、ハラル認定された食品の市場は巨大で、その他食品と差別化できることから新食品ビジネスとしての期待も大きい。

インドネシアで販売するハラル認定はここで行われるがインドネシアのみで有効であり、例えばマレーシアではマレーシアの基準がある。しかし、世界44カ国で情報共有•交換していることから大きく基準が異なる訳ではないようだ。

イスラム教のコーランで禁止されている主な物は、豚肉、血液、死体、アルコールなどである。一番難しいのは発酵食品である。発酵食品は個別に製造法仮定や最終商品を判断して決めるそうだ。そしてその決定には科学者と宗教家が共に議論して決めるそうだ。

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