関西社会人大学院連合からの案内で、大阪府立大学の植物工場を見学してきました。
太陽光を利用した工場、人口灯(蛍光灯やLEDの光)を利用する工場、併用する工場の3つがあるそうだが、ここ大阪府立大学のは2番目の人口灯を使ったタイプだ。このタイプは、立地を選ばないのが特徴であるから都心の地下でも立地できる。
虫はつかないし、細菌の数も制御していて、洗わずにそのまま食べられる。天候による影響がないので年間を通じて安定供給が可能だ。そんな工場が都心の真ん中に作れるというすばらしい工場だ。
下のようなスポンジの穴に種を入れて育てるのだ。基本的に水耕栽培で土は使わない。栄養分を含んだ水を供給し、光りを充てて光合成をさせて育てるのである。
ちょっと聞くと理想的でもっとたくさん作ったらどうだ!と感じる。しかし、様々な課題があり現時点では採算が取れないそうです。
まず見かけはとてもきれいだがもちろん有機栽培ではない。無農薬だが供給する水はいわば化学薬品だ。その薬品が野菜に与える影響はなだわかっていないし、その化学薬品の水の廃棄の際の水処理も必要だ。
2番目は生産設備だ。温度コントロール、照明コントロール、栽培装置の位置移動コントロール、停電対策、水供給、排水処理など巨大な投資の生産設備が必要だ。見ると家電など数万円〜数十万円で売る商品を作る生産設備と同様の設備で数百円の野菜をつくるのだ。発想を変えて、機械の生産設備ではなくて野菜工場用の安価な生産設備の発明が必須だと思う。
もちろん供給する水に混ぜる化学物質の配分の研究による生産量の向上と、できた野菜に与える影響の研究もまだまだ続ける必要がありそうだ。
ちなみにここの野菜はすでに売られていて、大阪を中心に以下で売っているそうだ
サンドイッチのSUBWAYの野菜はここの野菜らしい。
まだまだ課題が多いが期待はしたい分野だ。